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田中 忠夫; 長尾 誠也; 坂本 義昭; 大貫 敏彦; S.Ni*; 妹尾 宗明*
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(8), p.829 - 834, 1997/08
被引用回数:15 パーセンタイル:74.12(Nuclear Science & Technology)クロボク土とCo、Sr及びAmの相互作用に及ぼすフミン酸の影響について、フミン酸の分子サイズに着目して調べた。Coの分配係数(K)はフミン酸の共存によってほとんど影響を受けなかったが、SrのKは共存するフミン酸の濃度が高くなるに従って大きくなった。一方、AmのKは、クロボク土に対するフミン酸のKと同様に、共存するフミン酸の濃度が高くなるに従って小さくなった。水溶液中で、Amは分画分子量30,000~100,000のサイズのフミン酸と安定な結合体を選択的に形成したが、Co及びSrは100,000以下のサイズのフミン酸とAmに比べて弱く結合することが分かった。これらの結果から、CoやSrのKは陽イオンとフミン酸結合体の両化学種の収着によって主に支配されるが、AmのKはクロボク土に対するフミン酸の収着及び間隙による機械的な捕獲によって制御されることが示された。
田中 忠夫; 長尾 誠也; 坂本 義昭; 大貫 敏彦; S.Ni*; 妹尾 宗明
放射性廃棄物研究, 3(1), p.41 - 47, 1996/08
0~130mg/lのフミン酸(HA)を共存させた条件下で、HAを良く収着するクロボク土へのCo、Sr及びAmのバッチ法収着実験を行った。また、これら核種と5000~30000、30000~100000及び100000MWの分子量に分画したHAフラクションとの反応性を調べるとともに、これら分画HAの官能基をFTIR及びNMRスペクトルから特定した。Co及びAmの収着平衡定数KはHAのそれより大きく、共存HA濃度が増すに従って小さくなった。一方、SrのKはHAより小さく、共存HA濃度に伴って大きくなった。これら核種は芳香族系のCOOH、OHを主な官能基とする30000~100000MWのHAと優先的に反応し、この分画フラクション中の核種濃度は、収着実験によって選択的に著しく減少した。これは、クロボク土への放射性核種の収着が30000~100000MWのHAによって制御されている可能性を示唆している。
田中 忠夫
Radioisotopes, 45(5), p.293 - 302, 1996/05
土壌に対する放射性核種の分配係数に及ぼす共存フミン酸濃度の影響を定量的に記述するため、フミン酸との錯形成が小さなSrと大きなAmとについて、フミン酸共存下における吸着モデルを提案した。フミン酸を吸着しない砂についてのSr及びAmの分配係数は、液相中でのフミン酸錯体形成のみを考慮した吸着平衡式で評価できた。一方、フミン酸を吸着するクロボク土についての分配係数は、フミン酸錯体の吸着による分配係数の増加の他、フミン酸の吸着によって生じる土壌表面の負電荷密度の増大や吸着サイトの減少などに伴う分配係数の増減効果を考慮した吸着平衡式で記述できることを示した。
田中 忠夫; 大貫 敏彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(1), p.62 - 68, 1996/01
被引用回数:8 パーセンタイル:58.77(Nuclear Science & Technology)微細土壌粒子に収着したCo、Sr及びCsの移行特性を調べるため、粒径5m以下の微細土壌粒子を含有する放射性核種水溶液を長さが1~10cmで異なる粗砂カラムへ流入した。放射性核種の流出量とカラム長さとの関係から、微細土壌粒子から粗砂カラムへの放射性核種の1次脱離速度定数(K)を求めた。微細土壌粒子及び粗砂に対する放射性核種の分配係数をバッチ法で測定した。Co、Sr及びCsの流出率は、カラムが長くなるに従って最初は減少したが、その後一定値0.3、0.1、0.8にそれぞれ至った。微細土壌粒子に対する各核種の分配係数は、粗砂に比べて数10倍大きかった。各核種のKの大きさはSrCsCoの順であった。これらの結果は、微細土壌粒子への粗砂に比べて大きな放射性核種親和性が、放射性核種のコロイド的な移行を生じさせたことを示す。
田中 忠夫
JAERI-Research 95-044, 21 Pages, 1995/06
降雨と蒸発が繰り返し行われる自然界の通気層土壌中における放射性核種の吸着・脱離挙動を明らかにするため、海岸砂に吸着させたCo、Sr及びCsを乾燥と湿潤が繰り返し生じる条件下で脱離させるバッチ法脱離実験を実施した。全ての放射性核種の脱離率は乾燥期間の影響は受けなかった。乾湿脱離条件下でのSr及びCsの脱離率は連続脱離条件下での値に比較して増加したが、Coの脱離率は連続脱離条件下での値との有意な差がみられなかった。また、乾湿脱離条件下では砂表面の崩壊が生じ、それに伴い砂からイオン及び土壌微細粒子が液相中へ溶離された。乾湿脱離条件下におけるSr及びCsの脱離率の増加は、水に接している間に生じる砂表面の変質及びCsを固定した土壌微細粒子の発生に起因させられた。
田中 忠夫; 山本 忠利
JAERI-Research 94-010, 30 Pages, 1994/08
天然バリア中における放射性核種の正確な移行評価手法の確立に資するため、Co、Sr及びCsの砂質土壌中における移行挙動に及ぼす自然環境下の通気層中で生じる降雨と蒸発の繰り返し(乾湿サイクル)による水の不連続な流れの影響を実証的に調べる環境シミュレーション試験を実施した。乾湿サイクル条件下においては、流れの停止期間中にSrの土壌への吸着能を減少させる間隙水中のCa濃度の増加が生じるため、陽イオン性Srの移行性が増大した。陽イオン性Co及びCsの移行性には乾湿サイクルの影響はみられなかったが、流れの停止期間に土壌層中を移行しやすい{Co(OH)}nや、土壌中微細粒子に固定されたCs化学種の生成が進むため、粒子性Co及びCsの土壌層深部への移行量が増大した。
田中 忠夫; 山本 忠利
Radioisotopes, 43(7), p.389 - 396, 1994/07
自然環境の通気層中に生じる不連続な水の流れの条件下におけるSrの移行挙動を明らかにするため、Srで汚染させた砂質土壌層へ脱イオン水を断続的に流下するカラム移行実験を行った。流れの停止回数が増すに従って、陽イオン性Srの土壌層中移行速度は増大する傾向を示した。この原因は、土壌から間隙水中へ溶出するCaの濃度が流れの停止期間に増加することにより、Srの分配係数が減少するためであるとみなされた。土壌層流出液のCa濃度から推定したSrの分配係数と土壌層におけるSrの移行速度から得た分配係数とは、流れの停止回数に伴う減少傾向がよく一致した。
田中 忠夫; N.Shiwei*
JAERI-M 93-185, 17 Pages, 1993/10
海岸砂質土壌中におけるCo,Sr及びCsの移行性に及ぼすフミン酸錯体形成の影響を明らかにするための吸着・移行実験を行った。Co及びSrは溶存フミン酸との錯体を形成した。Coの錯形成能はフミン酸の分子量に依存しなかったが、Srはフミン酸の分子量に依存した。フミン酸共存条件下において、砂質土壌に対するCoの収着比は減少し、移行性は増大した。液相中Co化学種の分子量の分布は、収着平衡並びに錯化平衡の成立により、収着実験の前後において同じ傾向を示した。Srの移行性は、フミン酸共存によって収着比が影響を受けなかったのにも係わらず、フミン酸共存条件下で増大した。そのような矛盾は、吸着実験と移行実験との間での反応速度の違いから生じたものと推測された。Csの吸着性と移行性はフミン酸の共存によって影響を受けなかった。
C.K.Park*; S.I.Woo*; 田中 忠夫; 神山 秀雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(12), p.1184 - 1193, 1992/12
多孔質凝灰岩への収着特性を研究するために、Co,SrおよびCsの収着実験が行われた。収着速度と律速過程が調べられた。また、収着と分配比に及ぼす粒径の影響も調べられた。種々の抽出剤を用いての脱着実験が行われ、地下水条件における可逆収着およびイオン交換、Fe-Mn酸化物やオキシ水酸化物との結合、不可逆的固定化などの収着機構の識別が行われた。ストロンチウムは、凝灰岩表面に反応速度が速く可逆的であるイオン交換反応によって主として収着される。コバルトとセシウムの収着過程は単純ではない。コバルトの収着は、主としてFe-Mn酸化物への結合であり、不可逆的な固定化も起こる。コバルトの収着速度は、鉱物の格子への拡散によって支配される。セシウムの主な収着は不可逆的固定化であり、イオン交換も生じている。
田中 忠夫; 山本 忠利; 加藤 正平; 風間 広志*
日本原子力学会誌, 33(4), p.373 - 380, 1991/04
被引用回数:2 パーセンタイル:31.89(Nuclear Science & Technology)海岸に隣接する砂質地層(通気層および帯水層)におけるCo、SrおよびCsの分配係数の分布を測定した。さらに、分配係数と地下水のイオン組成との関係を明らかにするため、分配係数に及ぼすpH、導電率およびK、Na、Mg、Cu、Cl、HCO、SO等の共存イオン濃度の影響を調べた。分配係数は3核種ともに海岸に近い地点の砂層ほど小さくなる傾向を示した。Srの分配係数は、通気層に比較して帯水層で著しく減少した。これは地下水中に含有されるMg、およびCaに起因していることを明らかにした。さらに、分配係数に与える共存イオン濃度の影響に基づいて地下水のイオン組成から算定した分配係数と実測値の間には十分に良い一致が見られた。したがって、臨海砂層における分配係数の分布を地下水のイオン組成の分析から推定可能であることが見出された。
田中 忠夫; 山本 忠利
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(3), p.239 - 247, 1991/03
放射性核種の地中移動に及ぼす不連続な水の流れの影響を調べるため、Co、SrおよびCs水溶液で汚染させた砂層を3~90日乾燥した後蒸留水を流下するカラム実験を行った。砂層表面付近において、CoおよびCsの濃度に及ぼす乾燥の影響は見られなかったが、Srは乾燥期間が長くなるに従って表面からより深部へ移動した。このSrの移動傾向は、砂層残留水中のCa濃度と関係していることが見出された。一方、砂層深部において、Srの濃度に及ぼす乾燥の影響は見られなかったが、CoおよびCsの濃度は乾燥期間が長くなるに従って増加した。これは、乾燥期間中にpHおよび土壌微細粒子濃度が増大することにより、移動性の高いCo(OH)および土壌微細粒子に吸着したCsの生成量が増加するためであると推定された。
田中 忠夫; 山本 忠利
核種移行に係わる基礎データ論文集、V, p.101 - 111, 1990/03
自然環境下での通気層においては、降雨と乾燥の繰り返しによる地中水の不連続な流れが生じている。それゆえ、放射性核種の土壌中移動に及ぼす水の不連続な流れの影響を明らかにするため、Co、SrおよびCsで表面を汚染させた砂層へ、水の流れの停止期間および停止回数を変化させて水を流下するカラム実験を行った。SrおよびCsに比べてCoの砂層深部への移動は、流れの停止期間が長くなるに従って、また停止回数が増すに従って増大した。これは、流れが停止している間に砂層残留水のpHが、砂質土壌が有する比較的塩基性のpH緩衝効果によって高くなり、Coの加水分解反応による移動性の大きい非イオン性Co(OH)の生成量が増加したためであることが見出された。